ヒトトナリ

気づけば私はその日、駅前のロッテリアで見積書を作っていた。(佐藤由佳|ライティングゼミ)

time 2017年09月19日

気づけば私はその日、駅前のロッテリアで見積書を作っていた。(佐藤由佳|ライティングゼミ)

本記事は、6月ライティングゼミのワークを通して執筆し、7月ライティングゼミでシェアしたコラムです。
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気づけば私はその日、とある駅前にあるロッテリアで見積書を作っていた。

 

とある駅とは、初めて降りる駅だった。

 

本来ならば、とある人物と待ち合わせて今度入居予定の物件を下見する予定だった。

 

そして「ちょっと未来の暮らし」に想いを馳せる予定だったのだが、先方のドタキャンの末「目の前の生活をどうにかやりくりするための作業」にすり替わったのだった。なんとも現実的なものに辿り着いてしまった。

 

しかし、そんなことになる前には、私なりのいくつかの“抵抗”があった。

 

駅には待ち合わせ時間の5分前に着いた。

 

改札を出ると、「模擬試験こちら」というような看板を持ったとある塾のスタッフが、気怠そうに立っていた。たまにTシャツの中に手を突っ込んで背中をかいてみたり、無用に歩き回ってみたり。さぞ暇な時間なのだろう。

 

そうこう見ているうちに、待ち合わせ時間になった。しかし、とある人物は来る気配がない。

暇そうな彼を見ていればそのうち時間が過ぎて、「ごめんごめんーーーー!」と言って来るだろうと思うことにした。念じることにした。

 

20分はたっただろうか。

そろそろ看板をもつ彼を観察するのも飽きてきたし、改札内にとある人物の姿を探した。そして念じた。「そろそろ、来いよ…!」

 

そんなことをしている間に、私の集中はふと途切れた。暑さだった。

諦めることにした。この20分の間、とある人物には10回ほど連絡を試みたが9回目あたりで念じることも諦めた。

 

そんなこんなの抵抗と諦めを経て、涼しさという誘惑へと誘われたのであった。

しかし私は諦めが悪かった。

涼しいロッテリアの店内でふと思いついたのは、「見積もり作成のタスク」だった。

 

それは、仕事でもお世話になっている“とある人物”に突きつけるものだった。

 

交通費やら私の待ち時間代やら、もうありとあらゆるものに金額をつけた見積もりを叩きつけてやろうか。

執筆:佐藤由佳 (@y_lovearth
学生時代よりインタビュー活動を始める。
新卒入社した会社ではライフスタイル系オウンドメディアの運用を経験。
現在はフリーライター・インタビュアーとして、新しい働き方に挑戦中。
これまで50名以上をインタビューし、
社長、起業家、大学生、小学生、モデル、豆腐屋など
多様な人々の魅力を伝え続けている。
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